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たまおのガチコラム:財産権は大事だよ。その2

前回は財産権がむちゃくそ大事だっていう話をしたな!(ここをクリックすれば飛べるぞ
みんな覚えてるか?

今回は、前回の続きで、財産権が人類に確立された歴史を教えるぞ。
もちろん、歴史なんて苦手、嫌いっていう人にもわかるように、ものすご~く大事なポイントだけピックアップして、わかりやすく説明するから、安心してくれよ。

ただ、最低限の歴史の用語は登場させてくれ!きっと、教科書で習っても意味が分からなかった歴史用語の意味が分かるはずだから、楽しみにしてくれよ!

さて、今回は3章構成だ。
1689年のイギリス権利章典
1776年アメリカ独立宣言
1789フランス革命

この3つがわかれば財産権の歴史はOKだ!さっそく行くぜ~。

1、イギリス権利章典

暴君追放で国家が発展!イギリス権利章典で「生命の自由」が認められる

時は1685年。イギリスでジェームズ2世という人が王様になった。

↑(暴君)じぇーむず2世

こいつは王族時代からスコットランドで人を殺しまくった、とんでもないヤツだ。宗教弾圧といって、特定の宗教に属しているだけで人を殺してしまうサイコパスだ。

・・・と言いたいところだが、サイコパスに感じるのは現代のわれわれの感覚だ。今の日本では、どんな宗教に属していても、それだけで命を奪われることはない。しかし、当時は違ったんだ。今では考えられない理由で人殺しが正当化されてしまう時代だったと思ってくれたまえ。

こいつのせいで、「大殺戮時代」などと言われてたんだが、即位後も横暴だらけ。議会の同意なしに税金を課したり、法律を無視して宗教裁判所や常備軍を設置したり、反乱者は極刑に処したり。請願を行ったイギリス国教会の聖職者だって逮捕しちゃうぞ☆

そんな横暴しまくった王様に我慢の限界を超えた貴族たちは、国王の甥(ウィレム3世夫妻)と結託して王を追放してしまった。これが、教科書なんかで習う「名誉革命」ってやつだな。んで、この時に議会が発表したのが、あの有名な「権利章典」だ。

はてさて、暴君がいなくなったイギリスはどうなったかというと、良いことがいくつか起こる。例えば、毎年議会が開かれるようになったとかな。
特に大事なのは、「どんな権力者であっても法によらない支配をしてはならない」という原則が確立されたことだ。「法によらない支配」というのは、権力者のやりたい放題ってことだ。裏を返せば「法による支配」というのは、どんな権力者でもルールを守らなければならないってことだ。これが確立したおかげで、イギリスの政治が一歩先にすすんだって思ってくれ。
権力者が横暴したことは不幸な歴史だったかもしれないが、その失敗から反省して、制度を工夫するってのは、むちゃんこ大事なことだな。

そして、ここに明記されたのがいわゆる「身体的自由」だ。簡単に言えば「法律と裁判をしなくちゃ、死刑や懲役、罰金などの刑罰を受けることがない」という意味だな。現在の感覚にだんだん近くなってきてるのがわかるよな。

ロック様のおかげで「自由主義」が芽生えた

「名誉革命」とほぼ同時期に、ジョン・ロックという人物が、後の「自由主義」につながる理論を唱えた!!!!
この「自由主義」っていう考え方も、超絶大事な考え方だから、ぜひ聞いてくれ。

↑我らのジョン・ロック様

それまでのヨーロッパ(中世)では「絶対王政」が敷かれることがあった。「絶対王政」っていうのは「王様のいうことは、ぜった~い♪」っていうリアル王様ゲームのことだな。もう少し真面目にいうなら、「国王が強大な権力を持って中央集権化を図る政治形態」とでもいえるだろう。要するに王様が好き放題しているわけだ。

もちろんイギリスも例外ではない。というか、小賢しいヤツが「絶対王政マンセー」っていう理屈まで捻りだす始末だ。
その1つを「王権神授説」という。
これも、いつも通り簡単に嚙み砕いて説明しよう。ズバリ「王様の権力は神様から与えられているのであ~る。だから王様は何をしてもよいのであ~る」という理屈だ。これを後ろ盾にすれば、確かに絶対王政が正当化できる。
なんじゃこれ?こんな理屈、証明しようにもできないし、ただ王様に媚びてるヤツが滅茶苦茶な理屈をこねただけじゃないか?

これに真っ向から反対を唱えたのが、我らのジョン・ロック様だ!
なんとロック様は、王権神授説の根幹部分である「王様が神から権力を継承している」を論破した論破王なのだ!!!

ロック様の言い分はこうだ。

えっと、神様がこの世界を作った時って、人間同士の格差もないし皆平等だったはずですよね?ってことは、人間は神様によって作られた自然を享受できる権利をもってるってことじゃないですか?で、財産って労働した者が、労働したことによって受け取る対価だと思うんですよ。
結局、王権神授説って事実じゃなくて、あなたの感想ですよね。

どうだ!!!
ひろゆ・・・もとい、ロック様の主張は、今の俺たちでも納得しやすいはずだ。というのも、このロックの主張が巡り巡って、今の財産権の考えかたに通じているんだから当たり前だ。

ほかにも、ロック様は国家についても論じた!!

国家っていうのは、人々が神様から与えられた権利を守るために存在しているものじゃないですか?つまり言い換えるなら、人々は国家に対して「統治や法の執行権を信託する」っていう契約を結んでいるわけですよね。(社会契約説)。
そして、人びとは信託して国家と契約しているわけですから、国家が悪政を強いちゃった場合は、人々の信託を裏切ったんだから、そりゃあ抵抗してもよいよねって話なんですよ。(抵抗権)

このロック様の政治思想は、ものすごく大きな影響を及ぼしていく。
さっき説明した「名誉革命」を理論的に正当化したし、この後説明する「アメリカ独立宣言」とか「フランス人権宣言」にも大きな影響を与える。
ロック様の主張は、我々にも非常に大きな影響を及ぼしているのだ!

2、「アメリカ独立宣言」も、財産権獲得の歴史

さて、時代を経て「アメリカ独立戦争」に移ろう。
アメリカが独立する戦争でしょ?財産権なんか関係あるの?って思うだろうが、まあ聞いてくれ。大きく関わってるのがわかるはずだ。

まずは「ボストン茶会事件」から話をしよう。
このころのアメリカは、まだイギリスの植民地だった。だから厳密にいうと「アメリカ合衆国」という国はまだ存在しないが、まあ面倒なので「アメリカ」と言ってしまうぞ。
さて、イギリスの植民地といっても、イギリスの一部だ。そこに住む人は当然、イギリスの統治下にある。イギリスの法律が適用されていたし、税金も払っていた。

しかしイギリス本国が暴挙に出る。
なんと、アメリカに対して勝手に防衛費を負担するように命令したのだ!!その後も、アメリカに不利な法律を押し付けまくる。これに反発したアメリカ人が起こしたのが「ボストン茶会事件」だ。
(本当はもう少し色々な出来事があったんだが、本筋ではないので細かいことはぶった切ったぞ。興味のある人はこのページなんかを見てみてくれ。)

この「ボストン茶会事件」をきっかけに、アメリカ現地人がイギリス本国に猛反発を繰り返すようになる。勢いがついて止まらない。そして巡り巡って「アメリカ独立戦争」にまで発展してしまうのだ。

さて、イギリスから独立するということは、アメリカがイギリス国王の所有物である植民地を奪うって形になるな。これはまずい。アメリカ側だって、「勝手に財産を奪うな!」って主張して戦争をしかけているんだから、独立するだけの大義名分は必要だ。
だからアメリカが独立することを正当化する理論を構築しなければならない。そこで作ったのが「アメリカ独立宣言」なのである。

その理屈はこうだ。

アメリカ人が労働して儲けた財産っていうのって、アメリカに住んでいる人たちのものですよね。なぜかっていうと、自然っていうのは本来、神様が人間に平等に与えていて、労働した人たちが獲得してよいものだからなんですね。
でもイギリス国王ってアメリカで労働してないじゃないですか。ってことは、イギリス国王はアメリカ人の財産を奪ってるってことになると思うんですけど。

どこかで聞いたことがないだろうか?
そう、ロック様の「社会契約説」にクリソツだ。(口調までクリソツだw)それもそのはずで、独立宣言の起草者(トマス・ジェファソン)がロックの『統治二論』の思想を前提に置いている。

↑トマス・ジェファソン(二代目のひろゆ・・・ロック様)

独立戦争では「代表なくして課税なし」という超有名な言葉がスローガンになった。
「権力者が徴税して財産を奪うのならば、納税者の代表を議会に送る権利がある」
「徴税は議会で決められた法に則らねばならない」
というような意味だ。これも、現在まで通ずる考え方だな!

なお、厳密には「アメリカ独立宣言」に書かれたのは「幸福追求権」という言葉なんだが、現在の財産権のことを指すぞ。

3、フランス人権宣言で「財産権」が明記される

貴族は人間、平民は持ち物。人間扱いされないヨーロッパ

さて、次の話に行こう。
1789年には、これまた有名な「フランス革命」が起きる。この時出された「フランス人権宣言」で、ついに「財産権」という言葉が明記されることになった。これが3つ目の出来事だ!

先ほど登場したアメリカは植民地だったな。ここはイギリス(の特権階級)によって間接統治をされていた。しかし、ヨーロッパでは特権階級の人間が、特権階級以外の人間を直接統治していたのである。

以下、閲覧注意・・・かもしれない。心して読んでくれ。

直接統治が何を意味するかというと、(特権階級以外の)人間はただの「財産」だったということだ。
ん?ピンとこない?
では、もっとわかりやすく説明してやろう。「財産」ということは、人間ではない。単なる「持ち物」や「家畜」と同じなのである!!

例えば、貴族は平民を「所有」している。平民は所有物なんだから、貴族は好き勝手にしてよいとされていた。平民を殺すことも当たり前のように起きた。平民の男の妻を奪ってもよい。貴族にとって「持ち物」にすぎない平民を、どう扱おうが勝手なのだ。
特権階級は財産を持つことができたが、平民は財産を持つことはできない。「お前のものは俺のもの」よりひどい状態だ。

ぬおおおおお、信じられん。信じられんが、これが当時のヨーロッパなのだ。怒りに震えてくるぞ。

人権を得るのは命懸け(文字通り)

このようなヨーロッパの酷い状況は、モンテスキューやヴォルテール、ルソーなどの啓蒙思想家が特権階級に人権意識を広めていくことで徐々に変化していくこととなる。

↑モンテスキュー。
三権分立を主張した人。国家権力を3分割して、チェック&バランスさせることを思いついたすごい人。きっと彼なら、ホールケーキもきれいに3等分できるだろう。

↑ヴォルテール。
「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という名言を残した人。毛量が多かったので、髪の毛の中にサッカーボールを隠せたらしい(知らんけど)

↑ルソー。トンデモ発言ばかりしているが、ごくたまに良いこともいう人。
実は童謡「むすんでひらいて」を作曲した人。そして露出癖がある。
(ズボンを)結んで開いて手を打って喜ぶ変態。歌詞の「ま~た開いて」の部分は、「再び開く」という意味ではなく、「股を開く」のがルソー的正解らしい。

また、フランスで「国民軍」が創設されることによって、さらに進行した。
「国民軍」とは、国民による軍隊だ。それまでは傭兵が戦う戦争だったのだが、国民(つまり徴兵)が戦う主体に変わったのだ。
傭兵主体の戦争は、貴族同士のお戯れ、いわばゲームのようなものだ。しかし国民主体の戦争はまったくちがう。祖国防衛のための命懸けの戦争なのだ。

なので、悲しいかな、戦争は国民の義務になってしまった。しかも命懸けの義務だ。
すると当然、義務を果たす代わりに多くの権利が認められていく。つまり、戦争の歴史とは、平民が命懸けで戦うことによって人権を獲得していく歴史ともいえるのだ。

戦争の良し悪しの話をここでするつもりはない。まずは歴史を知ってくれ。

税金は適正価格なのか?

長かった歴史の話も、もう終わりだ。
人類が財産権を獲得するまでには、多大な努力と犠牲があったというのがわかっただろう。そして、日本国憲法で、財産権が特に大切な人権として扱われているのもわかったことと思う。

いいか、財産権を持つというのは、人間になるということだ。
財産権を認めることで初めて個人が成立する。財産権のない人間は奴隷だ。奴隷とは誰かに所有される存在だ。

日本の税率は、どんどん高くなっている。国民負担率はもう約50%だ。
本来、俺たちが汗水流して働いて得た財産は俺たちのものだ。それを、政治家たちが法律を作って合法化したから、例外的に奪われているだけだ。

俺たちは、政府の奴隷なのか?財産を半分も奪われていて黙っていられるのか?
税率が高くなるということは、権力者の奴隷に一歩一歩近づいているようなものとは思わないか?

税金は一切不要だなんて、そういう暴論をいうつもりはない。
しかし果たして税金は適正価格なのか、集めた税金は正しく使われているのか。残念ながら、俺たちはほとんど知らない。
なぜなら税金の使い道は、ほとんどが非公開だからだ。役所のHPを見てもほとんど載ってないし、わかり面過ぎて調べる気すら起きない。
だから知ろうともしない。その末路がこのありさまだ。(これは、またの機会に説明しよう)

覚えておいてくれ。
税金は下げられる。俺たち国民の意思で下げられるんだ。政治家に俺たちの意思を反映させるんだ。
俺たちの財産を、好き勝手にさせないという意思を。

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